2009年10月27日

事業再生と協力のリーダーシップ  その1.

リーダーシップとコラボレーション
tokyoamericanclubDining1

by ジェフリー樫田 (Jeffrey Kashida)

専門知識を持ったスタッフで構成されている米国企業では、そのリーダーシップのイメージとしては日本企業の伝統的なリーダーシップのあり方とはまったく異なった、意思決定のありかたを想定する人も多いと思います。確かに企業買収やITシステムの再構築など、プロジェクトの規模が大きくなればなるほど、企業は様々な分野から高度な知識を持つ専門家たちを集め、大きなチームをつくることになります。しかも、彼らのコミュニケーションはEmailやInternetを駆使したバーチャル・チームであることも普通です。最近では米国に本社を持つ多くの企業が、コールセンターやソフトウエアの開発部門をインドや東南アジアに持つなど、構成スタッフが遠くはなれてオペレートしているのもまったく珍しくなくなってきました。

マリオット・インターナショナルの本社IT部門では、顧客対応能力や経験価値を向上させるために、技術的な面でのリニューアルだけではなく、各ホテルの支配人、顧客経験者、ブランドマネジャー、各地域の担当責任者など、それぞれ異なる課題とニーズを持った多くのスタッフのコラボレーションが不可欠になっています。

しかし国際的な運営規模が大きくなればなるほど、また専門知識をもったスタッフが多くなればなるほど、組織運営は容易ではなくなってきます。スタッフの殆どは有名大学で教育を受けたエリートであり、個人的な動機付けも訓練も十分出来ている人達であるにも関わらず、協調精神が欠如していたり、人間関係の構築にはいたって不得意な人達が多いことが指摘されています。目標を共有しようという意識も低く、なかなかお互いに協力しあうという基本的な文化の醸成に不慣れなことが多いのです。一昔前ではチームのスタッフ数が20名を超えるとなかなかチームとしては機能しにくくなるといわれていましたが、今日のプロジェクトチームの規模は100人規模の大チームとなって複雑で複合的な任務に対応するようになっています。

「多様性」「バーチャルな人間関係」「高い教育水準と専門性」「大規模化」などを備えた、これらのチームが如何に生産性を高め、総合力を発揮させることが出来るかについて、ハーバード・ビジネス・レビュー誌がこの答えを求めて「協力のリーダーシップ」と名づけた興味深い論文を発表しています。
これらの特徴による負の影響を克服する要因を8つの取り組みとして突き止め分析しています。要約すると、これらは4つの類似パターンに分かれると指摘しています。つまり、1)シニアマネジャーの役割、2)人事部の役割、3)チーム・リーダーの役割、4)メンバー構成とチームの構造。。です。

事業再生の基本的な、成功要因は単に財務知識や金融技術に通じていることというよりも、この「協力のリーダーシップ」を中心者が組織の中にあって引き出せるかどうかという点が決定要因として不可欠です。その意味でこのハーバード・ビジネス・レビュー誌の示唆は大変重要な研究成果だといえます。

これは視点を変えれば、本来伝統的な日本企業の経営者像にも通じているもので、専門性やリーダーシップのあり方で、先を行っていた米国流経営においても、新しくグローバル規模で発展してきた企業文化への対応の中でしっかりと見直されてきているのは大変興味あることです。
これからシリーズでこの「協力のリーダーシップ」について考え、掲載していきたいと思います。


JHKインタナショナル・パートナーズ






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オバマ大統領 vs トークショー

オバマ大統領の試練

rushlimbaugh








ジェフリー樫田 (Jeffrey Kashida)

米国で生活していると車を運転する時間が日本にいるときと比較して飛躍的に増える。そんな時いつも車の中で聞くことにしているのは周波数640のラジオ・トークショーです。写真の左側の男性は、米国ではラジオトークショーのホストとして有名なRush Linbough(ラッシュ・リィンボウ)。徹底的なオバマ大統領攻撃と批判を連日のように全米に流している人物です。

「バラク・フセイン・オバマこそナチスの到来であり、国家権力を掌握し、社会主義国家建設への布石を着々と進めているのです!!国民の皆さん今こそ気付かねばいけません。彼こそ、嘘で固めた本質を隠しながら、いかにも国民の生活を豊かにするなどと言いふらし、米国経済を破綻に追いやっているといっても過言ではないのです!!」などとラジオを通して全米に流し続けている人物です。本当に異常ではないかと思うほどのことを平気で語り、それを売り物にしているエンタテイナーとして知られています。

彼のようなラジオトークショーのホストが全米には各地に存在しています。地域ごとに有力なラジオ局を通してこれでもかといわんばかりのオバマ大統領攻撃と批判を繰り返しているのです。
今、アメリカでは今、国民皆保険制度をめぐって国は二分するほどの大きな議論が起こっています。よく考えてみれば米国では保険制度の改革は、ルーズベルト大統領をはじめとする歴代の大統領が命をかけて定めようとしてきたにも関わらず、巨大保険会社などの莫大な資金が動き、ことごとく葬られてきたという歴史があります。つい最近、テッド・ケネディ上院議員が脳腫瘍で亡くなったが、彼もまた国民皆保険制度を自分の政治生命をかけて実現しようとしてきた政治家の一人でした。クリントン大統領はアメリカ経済を立て直したことで高く評価されていますが、国民皆保険制度だけはうまく実現することが出来ませんでした。それほど、米国のロビング活動は強力に動きます。3500万人近くのアメリカ国民が健康保険を持たないという異常な事態になっているのにも関わらず議会は、議論の末、いつのまにかなぜか去勢されて来ました。

このトークショーでの徹底したオバマ大統領の批判、攻撃を聞いていると、いつか全国民が大統領の政策を失敗だったと思い込み、問題の本質から少しずつずれて、最後は大きな世論になって国民皆保険制度はアメリカにとっては良くない。。と思い込むのではないかという危惧させ抱きます。これは言論の自由を利用した暴力ではないかと思うほど、酷い大統領批判をするのです。
上院議長のブルーシ女史(民主党)が「これはケネディ兄弟が暗殺されたときにような狂ったなにか恐ろしいことが思い出されるようで、個人的には恐怖を感じる」とまでコメントさせるほど一種の不安感さえ覚えます。知識なく教育のない国民が振り回されて極端な行動に走るのではないかと私でさえも心配になります。

しかし、最近はこのトークショーを聞いていていると「なんとアメリカは懐が大きいのだろう」感じるようになりました。多くの知識人や多くの国民の中にはRush Linboughの巧みな論法を見抜いている人も多く、聞き流しています。むかしから米国ではFOXニュースやABCニュースは共和党よりの論評をする傾向があり、資金が動けばこれらの局の論調も大きく変わります。
Rush Linbouthがあまりにもすき放題のことをラジオで流している矢先、先日NBCテレビの女性リポーターが彼をTVインタビューに招き、彼の私生活で睡眠薬なしでは睡眠できないことや、200億円以上にもなる資産を持っていること、何度も離婚を繰り返していることなどについてわざと質問をし、彼自身の実生活がどうなっているかを暗に示していました。彼自身は大学を卒業したこともなく、職を転々として、独学で社会のしくみを学び、 たどりついたのが自分の得意技である「おしゃべり」トークショーというのが彼の大変ユニークな半生の軌跡です。

それにしても、今こそ「国民皆保険制度」を実現せんと動くオバマ大統領の姿は、日本の歴代の首相にはみられない責任感と使命感、不屈の決意が溢れています。ファーストレディのミッシェル夫人と共に国民に語り、訴えていく姿を見ているとすがすがしい思いにさせるなにか希望の力を感じます。きっとノーベル平和賞もその期待値の象徴として与えられたものでしょう。
彼の著書「米国再生」を読むと、彼がどういう思いと気持ちで大統領の責務を果たそうとしているのかが、素直な気持ちで理解できます。
米国で帰化し、多民族国家社会の複雑な力関係と利権を目の当たりに経験してくると、オバマ大統領に期待し思いを馳せる人々の多いことを実感します。強欲で人間の尊厳さえ気にならない市場主義は「人間を手段化」してしまうという側面をやはり世界は許してはならぬと私は思います。


obamafamily_in_greenroom オバマ大統領一家 〜ホワイトハウス緑の部屋で〜

2009年10月26日

日本郵政の再生

社外取締役に曽野綾子氏


By ジェフリー樫田 (Jeffrey Kashida) & ジョン林(John Hayashi)


日本郵政の西川氏退任後の新体制構築にあたって、組織全体の人事などの見直しが進んでいます。その中で、社外取締役の一人に作家の曽野綾子氏の就任が伝えられています。同女史の人事に関しては、しっかりとした一般利用者の視点と立場から、積極的な改革への意見が出されるのではないかと期待します。

昨年の一月、同女史の最近の日本社会を評したコメントがインターネット上で紹介されましたが、そのときの同女史のコメントが今日再度掲載されていました。「正論:新しい年へどこまで恵まれれば気が済む」と題されたこの寸評は、個人的に今でもよく記憶しており、「本当にその通りだ」と思ったものですが、そういう視点から社会を観察できる同女史が日本郵政の社外取締役に就任されると知り、大変嬉しく思っています。

「引き算思考」「足し算思考」という視点から、強く逞しい生きる力と知恵を備えることがいかに大切で重要かに触れておられます。曽野氏の視点は、今日の青少年に欠けている生き方そのものについて分析され、その特徴を端的に表現されていますが、私自身は「事業再生」を行っていく場合には、マネジメントを行っていく人材はしっかりと地についた生き方の原点を理解できることが不可欠だというふうに考えています。つまりそうでなければ、組織改革の中心である「人」そのものへの感謝の気持ちや、尊敬の念が欠落してしまうからです。同女史は「人のためを考えること」の大切さは、謙虚で一生懸命生きようと努力することの中でおのずから醸成されることをコメントされています。
事業再生の基本も見かけの豊かさではなく、組織運営の中で従業員一人ひとりに動機付けしていけるリーダーシップが不可欠ではないかと考えています。

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事業再生とODA

新幹線建設の資金源 shinkansenimages

日本は1950年〜80年代にかけて飛躍的な経済発展を遂げました。日本が世界に誇る新幹線は日本経済発展の象徴であり、日本が持つ技術力を世界に示したものでしたが、その資金源として忘れてはならないのは世界の先進諸国から得たODA資金が重要な役割をもっていたことです。つまり日本自力ではなく先進諸国の資金援助を得て、新幹線という現在では不可欠のインフラ整備を行いました。

この種のODAのあり方は、よく「戦略援助型ODA」と呼ばれることがあります。今回、鳩山政権下で東南アジアへの円借款が報道されていますが、これもある意味では自国の外交・安全保障戦略の手段として行われるODAという性格を有していると思われます。国内での高い失業率、停滞する景気、国民一人ひとりの消費がパワーダウンしている現状にも関わらず、何故それほど他国に「いい顔」をしなければならないのか。。などと思われる国民の皆さんも多いと思いますが、「戦略援助型ODA」の効果の一つは、その効果が回りまわって自国の経済発展に寄与することにあります。

世界が大戦後の冷戦状態にあった当時はODAはアメリカ主導の資本主義陣営が拡大傾向にあった共産主義勢力に対抗するため、「封じ込め政策」を実施して来ました。その政策の主要なものが、今日でいうODAだったのです。その意味で歴史的にはODAは政治的目的を秘めていたといえます。つまり、戦争で荒廃してしまった国々の復興をアメリカによる巨額の資金援助で強力に支援することで、これらの国々を経済的に自立させ、共産主義勢力が入り込む余地をなくそうとしたのでした。まさにアメリカの国益にかなった、戦略的援助型ODAだったといえます。現在もまた、9.11の世界同時テロを契機に米国は中東や中央アジアの新米国に多額の援助を実施しています。

弊社のジョン林/John Hayashiやジェフリー樫田/Jeffrey Kashidaが欧州復興開発銀行関連の事業再生プロジェクト・アドバイザーとして中央アジアの案件に参加してきたのも、ODA関連資金を原資とした同銀行と自由主義経済圏諸国の意思を反映したものだと言えます。貧困諸国でしかも開発途上国を援助する場合には、特にインフラ開発援助型ODAが必要になってきます。前述の日本の新幹線建設がいかに意義深いものであったかを考えるとその必要性が不可欠であることが理解されます。植民地支配が長く続いた開発途上国には開発のための資本が決定的に不足しおり、それを補うのがODAの重要な役割となっています。

このように、開発途上国の開発を助け、経済発展を支えることを主な目的として行われるODAは、戦略援助型であり且つ「インフラ開発援助型ODA」の性格を有していると言えます。開発のために必要な「投資資本」が不足しているこれらの国々にとっては、「借金」をして自国の経営基盤を整えることが不可欠だからです。日本は、貯蓄率が高く銀行が投資資本を企業にふんだんに貸し出し、高度成長が迎えられたといわれる日本でさえ、新幹線はODAを受け入れて行った社会資本整備であったのです。

ODAに学ぶ事業再生

事業再生においても、基本的なコンセプトはこの「戦略援助型ODA」と「インフラ開発援助型ODA」に類似している側面があります。そこで重要なことは、ODAによって資本注入した後のインフラをしっかりオペレートしていく仕組みを作らなければならないということです。
事業再生のEXIT戦略が企業価値のアップにあると強調し、急速な財務リストラプランを実施するなどして見かけ上の再生ができたかのような事業再生が多く見られますが、破綻に追い込まれた施設や事業の資産を切り貼りして、利益を上げることに終始したような再生は、本来の事業再生とは程遠いものです。どこまでも対象事業のインフラ整備、運営機能をどう回復し、動機づけ、自発的な事業活動を起こしていくかを長期的な観点から、支援し活性化していかなければなりません。そういう観点からその事業の存在意義を再評価し、市場動向とニーズに応えていけるしっかりとしたプラニングが基本にならなければならないのです。




JHKインタナショナルパートナーズ






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2009年10月24日

日系ホテルの国際化


国際展開上の研究例


日系ホテルの今までの国際化とその特徴については、いろいろと議論されてきた分野ですが、10年程前に近畿大学の四宮由紀子氏がその実態調査を行い、その特徴について発表、興味深い内容となっています。海外でのホテル展開においてはいろいろな要素を考慮しなければ国際ホテルとしての評価も変わってくるため、国際進出のマネジメントに関しては国内のものとは違っていることに注目されます。

参考までに掲載させていただきました。

日本ホテル企業の国際経営に関する実態調査


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杉尾栄俊氏(元太洋緑化社長・JHKインタナショナル最高顧問)について  その3

杉尾栄俊氏(元太洋緑化社長・JHKインタナショナル最高顧問)について  その3
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「パンケーキをもう一つ」

by ジェフリー樫田 (Jeffrey Kashida)

JHKインタナショナル・パートナーズは現在、ホテル再生事業、オペレーションに特化した形で動いておりますが、「事業再生」という分野においては、どういう業界であれ、共通して重要な理念が存在していると考えています。

ちょうど10年くらい前から不良債権化問題が社会現象として注目されていました。ホテルや一般企業の再生を如何にしていくのが、社会的にも価値的なのかということが次第に研究され始めておりました。現在JALの経営再建問題で産業再生機構から派遣されるチームのメンバーの方々が話題になっていますが、メンバーの面々はすでにその頃から欧米での不良債権処理に関わる業務や法律、会計処理などについて研究し取り組んでこられた方々だと思います。再生機構COOの富山和彦氏をはじめ、委員長を務められた高木新二郎氏などは同分野では大きな役割を背負ってこられた方々です。産業再生機構は平成15年4月16日に設立され、予定の業務をすべて終え、平成19年3月2日に解散されましたが、その後も多くの人材が事業再生の分野でそれぞれノウハウを発揮しながら、民間企業で活躍されています。富山和彦氏は 株式会社経営共創基盤、大西正一郎氏や松岡真宏氏はフロンティア・マネジメント株式会社、また立石寿雄氏は ネクスト・キャピタル・パートナーズ株式会社等を設立されました。我々JHKインタナショナル・パートナーズもフロンティアマネジメントの大西・松岡氏の関連事業にいろいろな形で参画させていただいております。

不良債権化した事業およびホテル案件の多くは、その後再生関連の人材が増えるにしたがって、それぞれが担当するようになってまいりましたが、どの再生案件もその特徴としてその重点が財務リストラ的要素が多く、実際のオペレーションに深く関与して再生していくという基本的な側面を軽視した部分が目立ちました。その理由として、再生の専門家として、新たに設立された多くの組織は銀行出身者が多く、実際のオペレーションに関与の経験がない人達が殆どでした。JHKインタナショナル・パートナーズの見解は明確で、「表面的な財務リストラやEXIT 戦略を基本にした再生事業は、やがてオペレーションに行き詰まり、また同じ問題を起こし二次倒産につながっていくであろう」という事でした。事実、過去3年間に我々が接触した多くの再生チームは、どれも大手の金融機関と関連していたり、大手不動産企業のノウハウを蓄積したチームが多くありましたが、どのチームも殆どが経営破綻し、自社の再生が必要となったのは皮肉でした。つまり、「事業再生というのは、一時的なコスメティック的事業のリストラや再出発では、そう簡単に完結しない」という我々の理念はまさにその通り証明されたと言っても過言ではありませんでした。

現場で働く人達のモーティベーションを上げ、信頼感に溢れた企業組織としていくには、中心者のその事業への情熱と愛情がなによりも重要になってきます。誰よりも率先して先頭に立ち、様々な課題に挑戦する中心者の存在があって、一人ひとりの従業員も納得した主体性のある行動に変わっていきます。そういう現場での人間関係をしっかりと経験し、自分のものにしてきた経営者でなくてはなかなか事業再生はをすると言っても容易ではありません。オペレーションサイドでの人材と財務サイドからの視点、そして法的観点からのエキスパートが揃わなければ、しっかりとしたシナリオは出来上がらないのです。

弊社最高顧問であった杉尾栄俊氏は、ゴルフ業界における先駆的存在であり、卓越したビジョンを持った経営者でありました。誰よりも自らのゴルフ場を愛し、ゴルフ場を歩き、プレーする会員ゴルフ客の視点からゴルフ場の整備にも余念がありませんでした。従業員とともに日本一のゴルフ経営会社をつくろうと必死に動き自ら先頭に立ってリーダーシップをとって来られたのでしょう。「如何にトップが先頭をきって事業を支えていくか昼夜を問わず没頭し、動き、語り、励ましあいしていかなければ、事業を盛り上げていくことなど出来るわけがない。」。。これは杉尾氏が常日ごろ私とジョンに口癖のように語っておられたことでした。その信念は、我々の事業再生のあり方についても共通しており、その一点こそがすべての原点であると我々も深く思っております。
杉尾氏が、ゴルフ場の一経営者ではなく、稀有な経営者として政界、財界、行政、中央官僚のすみずみにまで影響力のある太い人脈のパイプを持ち、誰もが認める存在として活躍されたのは、同氏の人格の奥深いところで、みずから苦労してきた気持ちを忘れず、相手の気持ちをすぐに察知し、胸襟を開いて受け入れる大きな心があったと思っています。そしてその根本は「まず自分から。。」ということでした。

一方、同氏のゴルフ場が破綻し法的整理の対象となるや、表では同氏のよき理解者として振る舞っていた一部の人々が、裏では様々な欲得の計算で動いてきたことが明確になっていきました。その度に杉尾顧問は「よく一人ひとりの心と人格をみておけばいいよ」と軽く、私に話されていたのが忘れられません。「今が封建時代であれば抜刀しても然るべき。。」などと思ったことがありましたが、おそらく同氏も情けない心根の人達に無念さをお持ちになっていたと思います。いつもデニーズやジョナサンで我々と気軽に食事をしながら、政治経済の鋭いお話を聞くのは本当に楽しいひと時でした。杉尾顧問もそういうときは青年にもどり、将来の夢とビジョンに目を輝かせて語られておられました。「パンケーキをもう一つ」と注文し、人間不信の思いを吹っ飛ばしていつも豪快に談笑される姿は私たちの心に深く残っています。

ところで杉尾顧問の一番お気にいりのパンケーキは日比谷線神谷町駅の真上にあるロイヤルホストのパンケーキでした。シロップはメイプル。バターを二個載せると(持病の糖尿病が気になって)それでもちょっと罪悪感があったのか一番上のケーキだけをとって、あとは必ず「ジェフリーあとは食べてくれないか」となってしまい。結局、私は自分のパンケーキの分を合わせると5枚分食べる羽目になるのが普通でした。

神谷駅から杉尾顧問を六本木の自宅まで散歩をかねて歩く20〜30分間がまたとても楽しそうでした。その時もまた将来の夢を語りながら帰宅されるご様子は、とても貴重な思い出の一つになってしまいました。















2009年10月23日

杉尾栄俊氏(元太洋緑化社長・JHKインタナショナル最高顧問)について その2

杉尾栄俊氏(元太洋緑化社長・JHKインタナショナル最高顧問)について  その2

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By ジェフリー樫田

杉尾栄俊最高顧問は私の知っている日本人経営者の中でも、大変ユニークで気骨精神溢れる指導者の一人でした。特に私が杉尾栄俊氏と親しくさせていただいたのは、太洋緑化の解体作業が始まる直前の頃からで、個人的にはその周りにいた人々の動き、生き方を手にとるように粒さに観察することが出来ました。本当に大変貴重な人生の勉強をさせていただいたと思っております。政治家の人脈をとってみても、歴代の首相経験者や大物政治家がおられましたが、杉尾氏の太洋緑化破綻が濃厚となるやいなや、今まで経済的にも同氏の支援を受けていた恩義を忘れ、手を返したような振る舞いをする元首相経験者もいました。また、官邸で重要な立場にあったある方も、知っていて何知らぬような不思議な振る舞いをされていました。このような人達が日本の政治の中枢にいること事体、私にとっては許せませんでしたが、人間一人の人格や一人ひとりの命の奥庭に潜む、本質的なものと深く関わっていると感じました。

同氏の太洋緑化破綻の影で、米国の投資銀行筋はなんとか同社資産を安値で引き取り、それを後でValue Upして自らの業績アップに結び付けようと動いていましたし、その手先となって動いていた人達は杉尾氏に接近しその利益に与ろうとしていました。
その中で、杉尾氏個人としてはいくらでも財産を海外にでも保管し、隠すことも可能でしたが、「各ゴルフ場のメンバーから借り受け金として与ってきた資産の一部を自分の利益を考えて、隠し持つことなど、経営者としてはあってはならぬ事。例え、この身は無一文になっても皆さんを裏切りたくはない」。。。こういって毅然と私の前でつぶやくように語っておられました。「そこまでしなくとも。。」と何度か言いかけましたが、それは杉尾氏の経営理念・哲学として一生の生き方として男が残せるかどうかの境目だと強く感じた瞬間でもありました。今でも私の頭の中に強く残っています。

太洋緑化破綻が決定的になり、法的手続きがはじまると、杉尾氏へ様々な不審の目が関係者から向けられました。「隠し財産」をめぐって徹底的な調査が始まりました。当時、事業再生法に基づいた手続き次第では、十分再生の方途を考えることも可能でありましたが、(今から考えると)杉尾氏の周りにいた方達も状況がよく見えておらず、いろいろな計算で動く人達の諫言に振り回されてしまったというのが私の印象でした。まるで餌に群がるハイエナのようでした。中には「そら見たか」といわんばかりにお付き合いを翻す人。はっきりと物は言わずとも、遠くで様子を見ながらほくそ笑んでいた人達。そのリアクションは様々でした。

一方で、杉尾氏の人格と人柄を最優先し、破綻した後もなんら変わることなく、個人的なお付き合いを続けていた人達も数多くおられました。今回、「密葬」という形から「普通葬」に急に変更が決まり、あわただしい中で、すべての準備に尽くしてくださった「アドービジネスコンサルタンツ」(ABC)の池田昭司氏(代表取締役)はその代表的な方でした。ジョン・林、そして私自身も海外出張中での出来事ながら、池田氏がとってくださった異例のご配慮に心から御礼、感謝申し上げるものでございます。

思い出の京カントリークラブ(写真)kyocountry02





Golf Digest Online記事











2009年10月21日

杉尾栄俊氏(JHKインタナショナル最高顧問)について  その1

杉尾栄俊最高顧問について  その1

                    By ジェフリー樫田

この度の杉尾氏のご逝去に際し、弊社にも多くの方からのお問い合わせを頂きました。元太洋緑化社長であられた杉尾氏が弊社の最高顧問としてお迎えした頃、経営破綻状況にあった多くのゴルフ運営企業から弊社にコンサルティングのお話しがありました。早速、杉尾顧問を中心とする再生チームが編成され多くの案件についてコンサルティングの機会を得ることが出来ました。誰よりもゴルフ場を愛し、ゴルフ愛好の仲間を大切にしておられた杉尾最高顧問は「日本中のシニア世代が健康維持をしながら大自然の中で、友人や家族と語らっていく。。。そういう姿を私は、多くの人達に体験し、楽しんで欲しいのだ」と夢を語るようにお話しになっておりました。弊社代表パートナーのハヤシやジェフリー樫田は、米国へ帰化し日本で起業という異例のバックグランドを持っていたため財界との知り合いも少なかったこともあり、日本の政治、経済、財界、そして商習慣などについて、様々な視点と批判精神をもって指導し続けていただきました。機会あるごとに数多くのマスコミ関係者、政治家、経営者、財界で活躍する人々を紹介してくださり、米国流マネジメントと純日本流経営哲学を常に融合させて考える独特の再生コンサルの手法を勉強することが出来ました。

毎月、東京アメリカンクラブなどを利用して、政治経済の勉強会を持ってくださり、日本でも一流の論客や大学教授が我々の先生となりました。こうして、活発な意見交換や今後の見通しなど、JHKインタナショナルパートナーズは異例の特別セミナーをこの数年受けることが出来ました。我々の勉強会には、政党の委員長や大物官僚、上場達成をした経営者など素晴らしい人達が来られ、現在も弊社の素晴らしい人脈として親交させていただいております。事業再生の真っ只中にあって活躍されていた前整理回収機構・奥野代表との食事会では日本の再生事業のあり方などについて意見交換させていただいたこともありました。改めて杉尾最高顧問にご感謝申し上げます。

現在、Jeffrey Kashida (ジェフリー樫田)、John Hayashi(ジョン林)共に長期海外出張中で、葬儀には参加できませんが、心より杉尾最高顧問のご冥福をお祈り申し上げます。

以上。
JHKインタナショナル・パートナーズ


2009年10月20日

訃報:杉尾栄俊氏(弊社最高顧問)

JHKインタナショナル・パートナーズ最高顧問の杉尾栄俊(すぎお・ひでとし=元大洋緑化社長)が19日午前3時55分、心不全のため東京都文京区の病院で逝去されました。78歳。鹿児島県出身。葬儀・告別式は22日午前11時から東京都港区元麻布1の6の21、麻布山善福寺で。喪主は長女堀田雅子(ほった・まさこ)さん。謹んでお悔み申し上げます。

                     JHKIP Partners一同
John Hayashi
Jeffrey Kashida
香山久大

2009年06月28日

ハワイ発

John Hayashi

HTH Corporation announces the promotion of John R. Hayashi to President effective June 21, 2009 from corporate vice president. He has been affiliated with HTH Corporation since 1979 in a wide spectrum of positions.
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"John has successfully demonstrated his knowledge, experience, leadership skills and commitment to our organization," said Corine Watanabe, Chair & CEO, HTH Corporation, who additionally had held the title of president.

John Hayashi began his career at HTH Corporation in 1979 at the Pagoda Floating Restaurant and held several food and beverage management positions as well as regional and international sales management positions with the company. In 1993, he was appointed general manager of the Pacific Beach Hotel and in 1997 was named corporation general manager of HTH Corporation and corporation vice president in 2003.

Hayashi and his family live in Honolulu. He received his Bachelor of Arts in Economics and Management from Hiroshima Shudo University and attended the General Managers program at Cornell University. He has been an active member of various professional associations in Hawaii including the Hawaii Hotel & Lodging Association, the Hawaii Visitors and Convention Bureau, the American Red Cross and the Honolulu Japanese Chamber of Commerce.

Part of the Hawaiian hospitality tradition since 1964, the HTH hotel collection includes the Pacific Beach Hotel on the beach at Waikiki, which features the spectacular three-story indoor Oceanarium restaurant; and the 359-room Pagoda Hotel, famous for its koi fish pond, Japanese garden and Pagoda "Floating" restaurant and centrally located close to the widest variety of shopping choices in Hawaii. HTH Corporation was founded in 1975 to consolidate the diverse Hawaii-based corporations and business enterprises owned by H. T. Hayashi. For more information, visit www.hthcorp.com.

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